ネイピアの計算棒 ネピアの計算棒 ネーピアの計算棒
ネイピアの計算棒 (Napier's Rods) あるいはネイピアの骨 (Napier's Bones)
と呼ばれる計算用具
ネイピアの計算棒とは
対数でおなじみの、スコットランドの数学者、ジョン ネイピア が
1614年に考案した計算用具で掛け算 割り算 の他、
平方根 立方根も、求められる、なかなかの優れ物です、
さながら西洋判の算木と言ったところでしようか。
ヨーロッパではこの計算具は重宝されたようで、様々な派生形が作られ、
ウイリアム シッカートがネピアの計算棒にダイアル、
歯車等を付けた計算機を開発し、その頂点に達します、
しかし、1800年代になると、アリスモメートル計算機、オドナー計算機等
の機械式計算機が、発達し、ネピアの計算棒の時代は終わりを告げます。
ネイピアの計算棒のしくみ
0〜9までの棒があり、それぞれの棒には、掛け算の九九が、上から順
書き込まれています、九九の答には、二桁のものも、ありますが、
一の位と十の位は斜線で分けられています、
これが大変重要なところで、このおかげで、上手く、桁が上がるのです。
掛け算
4X138=552 を計算してみます、
計算棒 1と3と8を並べます、
上から4段目の X4 水平列に注目、
それぞれ斜線に囲まれた隣り同士の
マスの数を足していくと、答え 552
が得られます。
次に、24X138=3312では、どうなるのでしょう
24X138=(4X138)+(20X138) と
書き換えられるので
4X138=552 次に
2X138=276 を計算します、この末尾に0を付けて
20X138=2760
4X138= 552
20X138=2760
計 3312
が求められます。
この様にして、何桁同士の掛け算でも
単純な足し算に変換して計算出来るのです。
しかし、よく考えてみると、これは小学生が習う
九九を使った筆算と同じだと言えます
小学生は九九という一桁の積の一覧表を頭の中に持っていて
この中から必要な物を取りだして計算するのに対して
ネピアは棒に一覧表を備えている、と言えます。
割り算
ネピアの計算棒では、割り算の答えを直接出すことはできません、
二一天作と言う訳にはいかなくて、小学生の筆算と同じく
掛け算の応用で計算します
1230÷5のような一桁で割るときは計算棒の出番は無いのですが
7224÷28のように、二桁以上の数で割る時、威力を発揮します、
計算棒2と8を並べます
2 ・
2 8 ) 7 2 2 4
5 6
1 6 2
まず7224の内、72を28で割るのですが、
計算棒の各段には掛け算の例で示したように
28の倍数が9倍まで表示されていますので、
最も72に近くて、72を越えない
数56の指示数2を選びます、
2 5 ・
2 8 ) 7 2 2 4
5 6
1 6 2
1 4 0
2 2 4
次に、162を28で割るのですが、
再び計算棒で28の倍数の内、162に近い数140の
指示数5を選びます、
2 5 8
2 8 ) 7 2 2 4
5 6
1 6 2
1 4 0
2 2 4
2 2 4
0
この繰り返しで解を求めます。
平方根
平方根の計算には、平方根用の計算棒を併用します
開平計算は少し手数がかかりますが、筆算でも、
タイガー計算機でも、やはり、手間がかかるので
仕方ありません。
√126736=356 を計算してみます
まず開平計算なので2桁ごとに くくります
最初12なので暗算で3を立てます、
3 .
1 2 6 7 3 6
9 .
3 6 7
ここからが計算棒の出番です
最初に立てた 3 の2倍、つまり6の計算棒と
平方根用の計算棒を用意します
今回 6の棒と、平方根棒の左の列を使います
適合するのは 5の段の325なので
5を立てます、
3 5 .
1 2 6 7 3 6
9 .
3 6 7
3 2 5 .
4 2 3 6 .
今度は、 35と立てたので、この2倍 70の
計算棒を用意します、
適合するのは 6の段の4236なので
6を立てます、
3 5 6 .
1 2 6 7 3 6
9 .
3 6 7
3 2 5 .
4 2 3 6
4 2 3 6 .
0
どうです、うまく計算できましたね。
隣の棒同士斜線で囲
まれた数を足す、
ここで斜線が意味を持つ。
この段に注目 >>>
x4の段を抜き出すと
数字の棒
平方根の棒
立方根の棒